平成27年10月31日
教育委員会主催
第1回 臨床工学技士養成教員研修会を終えて
平成27年10月31日一般社団法人日本臨床工学技士教育施設協議会・教育委員会主催のはじめての養成教員研修会が開催されました。
「臨床工学技士養成課程教育の基礎を築く―教育の本質と血液浄化療法から―」のテーマのもと54名の会員校教員が東京御茶ノ水にある連合会館に集まり、特別講演、教育講演、一般演題合わせて12題の発表について活発な意見交換をいたしました。
研修会の冒頭には、本施設協議会代表副理事であり教育委員会担当理事である廣瀬先生から「臨床工学技士養成校教育の現在、そして未来」と題し、入学者の志や学ぶ姿勢の変遷を話されており、教員側としても見方、感じ方を変えてみて学生の学習意欲を引き出す必要があるということを学ぶことができました。
「教育の本質―教育とは何かー」の特別講演で庄井先生は、<Teacher>と<Educator>の違いを示されており、教育者=Educatorであり、ケアと育みこそ<教育>の原風景であることを話され、教育者として学ぶべきことが多く、明日からの教育に生かすことができる貴重なご講演でした。
東京医科大学の原田先生からは現在の教育ニーズともいえる「OSCE」について、ご講演していただき、実践型教育重要性を学ぶとともに、どのように実験していくか今後検討していく教員も多かったと推測する。座学だけでは、学生が卒業後臨床の現場に出たとき、臨床的思考力が乏しくリアリティーショックとなり、さらには生命維持装置の操作において患者様の状態に適さないことになり可能性もあります。そのためにはOSCEのように、多彩なシナリオに沿ってあらゆることを想定できる学びの環境を整えていく必要があると認識できました。
午後からは、「血液浄化療法」について、病態生理の基礎から患者ケアに至るまで、概論から臨床的側面までのご講演を拝聴し、私たち教育者はどのように学生教育していくべきかを考え、国家試験対策だけではなく、臨床場面を想定した教育も必要であり、特に「ケアする心」を持つことが大切であることを伝えていく必要があると改めて感じる教育講演でした。
一般演題も、各校で課題となっていることや、新しく導入した教育方略について6演題あり、大変参考になる発表でした。また、活発な意見交換もされていました。
全体を通して、第1回目としては大変充実した内容であり、とても有意義な一日となりました。
平成28年度は、第2回目を開催する予定であり、今回と同様に、「教育とは」を追求し、「学生対応の方法」や「学ぶ意欲の向上」などを主軸としながら、専門分野の教育講演および一般演題についてもプログラムしていく予定ですので、来年度もたくさんのご参加をよろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、ご多忙な中、司会や座長をお引き受けいただきました先生方、ご参加いただきました皆様、本研修会にご協力いただきました実行委員の皆様、運営にあたってお手伝いいただきました事務局の皆様、そして、学術集会にご賛同いただいた会員校の皆様方に、心から感謝とお礼を申し上げます。
平成28年3月
一般社団法人 日本臨床工学技士教育施設協議会 教育委員会実行委員