第2回臨床工学技士養成教員学術研究会

平成28年9月24日
教育員会主催
第2回 臨床工学技士養成教員学術研究会
「教えることの科学と技術」
-臨床工学教育のインストラクショナルデザイン-

 平成28年9月24日に一般社団法人日本臨床工学技士教育施設協議会・教育委員会主催の第2回臨床工学技士養成教員学術研究会が開催されました。

以前の臨床工学技士業務は、一部の生命維持装置の操作と医療機器の保守管理が中心となっていましたが、近年医療法の改定や診療報酬改定を受け、臨床工学技士の業務は大きな変遷を遂げております。特にその中で操作、管理を求められる機器自体の種類が増加したことのみならず、これまでより患者の治療という側面に立った関わりも求められており、その職域は大幅に広がっていると考えられます。主業務であった機器管理に関しましても、「医療機器安全管理責任者」の設置が義務付けられたことで、機器の保守管理業務に関しても非常に大きな責任が臨床工学技士に課せられております。一方で入学生に関してはご承知の通り18歳人口の減少やゆとり教育の影響により、競争意識が低く勉強に対し「待ちに姿勢」を主体とする学生の割合が増加しております。

これらの影響から、同一の修業年限の中でもこれまで以上に本質的な教育を充実させ、学生個々の学びの意識を伸ばしていく教育が求められていると考えられます。そのため今回の学術研究会においては、現代の学生における教育心理の本質や、より効果的な教授方法に関しての基調講演やこれまで蓄積してきた各校の特徴的な教育の発表によって、新たな学術的価値の創生につながる研究会にしていきたと思い、第2回のテーマを「教えることの科学と技術~臨床工学教育のインストラクショナルデザイン~」としました。

今回の主なプログラムとしては、前回の研修会後のアンケート結果から抽出された課題に対する内容とするため、授業準備に必要な細かいコマシラバスの組み立てやゆとり教育の影響を受ける現代の学生に対する授業中のコツや指導のポイントなどの詳細項目から、全体を見通したインストラクショナルデザインにいたるまでの幅広い内容とさせていただきました。

また、一般演題では各校における課題に対して新たな取り組みとして実施した方略について、5演題のご発表をいただき、発表後には活発な意見交換もなされ、大変有意義な研究会となりました。

学術集会にご賛同いただいた会員校の皆様方に、心から感謝とお礼を申し上げます。

 

教育委員会代表者               

伝える、伝わる授業プログラムの構築と教授方法
演者:吉田学園医療歯科専門学校 工藤 元嗣 先生

 

教育講演Ⅰ                 

「生徒を魅きつける一斉授業のコツ」
講師:名古屋市立萩山中学校 教諭 福地 孝宏 先生

 

教育講演Ⅱ               

インストラクショナルデザイン
講師:済生会横浜市東部病院 山田 紀昭 先生

 

教育講演Ⅲ              

「大人の発達障害についての基礎理解~LD・ADHD・自閉スペクトラム症について~」
講師:大阪医科大学 LDセンター 竹田 契一 先生

 

教育講演Ⅳ           

新人臨床工学技士による現場に入って困ったこと、学校でやってほしかったこと
講師:大阪大学医学付属病院 MEサービスセンター 村辻 雄大 先生
講師:天理よろづ相談所病院 臨床検査部CE部門所属 後藤 光希 先生

 

一般演題   

テーマ「学生教育に関する課題と試み」
「当校でのインストラクショナルデザインの導入 ~情報処理工学における課題分析~」
博多メディカル専門学校 後藤 和彦 先生

 

「出雲医療看護専門学校における第2種ME技術実力検定受験の取組み」
出雲医療看護専門学校 中山 弘幸 先生


テーマ「学生教育に関する課題と試み」
「どうしてますか?治療機器の学内実習
当科における医用治療機器学実習の取り組みと今後の展望
東北文化学園専門学校 中畑 碧 先生

 

「当校での臨床実習までの取り組み~現場との歪みを埋める為に~」
国際メディカルテクノロジー専門学校 斉藤 孝之 先生

 

「臨床実習の前後における学生の心情および価値観の変化に関する調査」
広島工業大学 渡邊 琢朗 先生