どのようなきっかけで、この職業についたのですか？
私は理系大学への進学を目指していました。一方、医療事務をしていた母の「資格を持っていると今後仕事がないなど困ったことになりにくく、医療系は特にその傾向が強いようだから」という薦めもあって、漠然と医療職も調べていたのです。そんな中、医療と工学の両方の知識を持った比較的新しい臨床工学技士という存在を知りました。職種に対して非常に興味を持ち、大学へ進学。臨床工学技士の役割について深く知るにつれ、自分もこの資格を取得して医療に貢献したいと思うようになりました。
臨床工学技士を目指す上で、必要となる資質は何ですか？
安全で質の高い医療は多くの職種が関わり合う「チーム」で行うため、円滑なコミュニケーションが必要不可欠です。相手の立場や職種の特性を理解し、どのようなプランでどのように治療を行うのか、何度もディスカッションが繰り返されます。その場においては臨床工学技士として何ができるのか、どのように関わるのか、など積極的なアプローチが求められます。責任ある発言、行動をするためには、必要とされる医学や医療機器の知識をしっかり身につけることが必要です。
臨床工学技士の魅力、やりがいなどを教えてください。
アブレーション治療や人工透析など、患者さんに直接関われることは魅力の一つです。しかし、医療機器の保守・点検を行い、医療安全という形で患者さんの役に立てることにもやりがいを感じています。また、臨床工学技士はME機器管理室、手術室、心臓カテーテル室、ICU・救命センター、透析室、内視鏡室など様々な医療機器の操作や専門性の高い治療に携わっており、他職種の方から信頼されなければならない存在です。その信頼に応えていくことも仕事のやりがいにつながっています。
将来、臨床工学技士を目指す高校生にメッセージをお願いします。
日々、医療技術が進歩し、多種多様な医療機器が使用されている現代において、臨床工学技士は将来的に需要が高まる職種です。医療職の中では比較的新しいこともあって一般の方には知られていませんが、安全で質の高い医療を提供するための私たちが担う役割はたいへん重要であると考えています。臨床工学技士という職はたいへん発展的であり、働く人間に大きなやりがいをもたらすでしょう。私たちと一緒に医療現場を支えていきませんか。
