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声明【臨床検査技師および臨床工学技士の教育に関して】

今般、臨床検査技師、臨床工学技士に関係する4団体は、臨床検査技師・臨床工学技士資格の同時取得に関して以下の懸念を表明する。
我々は、ダ ブルライセンス取得を否定するものではない。しかしながら、臨床検査技師並びに臨床工学技士の国家試験を「誰でもが受験可能であり、その結果、安易に両国 家資格を取得できる」と誤解され得る受験生勧誘がダブルライセンス同時取得の目的であってはならないと考える。
臨床検査技師並びに臨床工学技士 の両資格を取得することは個人の資質向上に繋がり、臨床の現場において有用となると思われるが、そのためには、臨床検査技師並びに臨床工学技士の育成を行 う教育施設においては、各々の資格に要求される基礎教育水準を確実に達成することが肝要であり、これに対する学習環境の充実が将来の専門性の根幹をなすも のである。
1.臨床検査技師、また、臨床工学技士として、社会に第一歩を踏み出すに足り得る十分な知識と技術を身につけ、医療人としての情意を兼ね備えた人材育成が必要である。
2.未知の課題に対して幅広く多様な情報を収集し、創造性を発揮し、科学的に解決する能力を備えるためには、基礎医学は勿論、分析科学、工学、化学などの基礎学力の充実した教育が行われることが重要である。
3. チーム医療の目的の一つには、医師の仕事を軽減させ、医師不足を解消することがある。その一部を臨床検査技師、あるいは、臨床工学技士が担うものであるた めにも、相応の資質を持った人材が必要となる。不確かな知識や技術で医療現場に臨むことは、医療過誤に繋がり、国民に多大な不幸を及ぼすこととなる。
4.臨地実習は、技術教育にとり必要不可欠なものである。医療現場で実践されることを知らずして社会に貢献できる人材を育成することは不可能である。そのためには、有効かつ十分な臨地実習期間を設定しなければならない。
5.医療技術者の教育に関しては、4年間で国家試験のみを目指した知識偏重の教育ではなく、医療人を育成するための総合的な教育を行うべきである。
将来に医療人としての夢と希望を持ち入学する学生に対し、それを実現させるためには十分なる卒前教育が必要と考える。そのためには、教育機関の更なる努力により、医療の進歩と公衆衛生の向上に寄与できる人材を育成することが課せられた義務と考える。
この度の声明は、ダブルライセンス同時取得を目指す教育機関はもとより、既存の臨床検査技師並びに臨床工学技士教育施設に対しても強く切望するものでもある。

平成23年 4月 4日
一般社団法人 日本臨床検査学教育協議会
理事長  三村 邦裕
一般社団法人 日本臨床工学技士教育施設協議会
理事長  嶋津 秀昭
社団法人 日本臨床衛生検査技師会
会 長  高田 鉄也
社団法人 日本臨床工学技士会
会 長  川崎 忠行

<声明文解説は本WebのPDFをご参照下さい>

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