臨床工学技士について

臨床工学技士は日本では何名ほど必要とされていますか?

Q :
息子は、現在高校三年生で臨床工学技士を目指し専門学校を受験予定ですが、インターネットや雑誌等によって、就職率の情報の違いがあります(厳しい就職)。専門学校に無事、合格できると四年は専門学校に通うことになりますが、これから先(5~6年後)医療機関でどれだけ臨床工学技士が必要とされてる職業なのか詳しく教えていただけないでしょうか?
現在約20000 人近くの臨床工学技士がいらっしゃると思いますが、日本に必要な臨床工学技士は、何人位必要なんでしょうか?それともあまってきているのでしょうか?

A:
臨床工学技士の就職の見通しについてのお問い合わせですが、現在臨床工学技士は、約24,000 名おります。一方、臨床工学技士の主要業務である人工透析を受けている患者様は、約250,000 名おります。(2006年現在)
また、新規に透析を受けられる患者様が毎年約20,000 名おられます。残念ながら、透析患者様のうち約10,000 名が毎年亡くなっておられますが、全体でも毎年約10,000 名増加しております。

現状では、透析患者様10 名に対して1名の臨床工学技士が仕事をしている概算になりますが、臨床現場では、患者様5名に対して1名程度の臨床工学技士が、つまり現在の約2倍の臨床工学技士が必要といわれております。

また、臨床工学技士の業務範囲は血液浄化から人工呼吸器、人工心肺装置などまで広い範囲にわたっており、「医療機器」を用いた生命維持管理、治療では欠くことのできない存在です。

20 年、30 年後には医療をめぐる政府の政策、医療技術の進歩などで状況は変わっているかと思いますが、少なくともご子息様が学校を卒業される4年後に就職が無いということは考えられません。それから先は、ご子息様の努力と修練にかかっているかと思います。

また、現在の臨床工学技士の業務範囲の医療機器以外にも新しい装置が開発され、臨床工学技士の業務が広がる可能性も高いかと思います。それぞれの資格の業務範囲は、現場で働く方々の努力によって広がっていくものですし、そのために職能団体「日本臨床工学技士会」や各都道府県の臨床工学技士会があります。

われわれ、教育施設協議会も、これらの団体と連携して臨床工学技士の業務の充実と発展を図っております。

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