都心の総合病院で働くにはどうすればよいでしょうか?
Q :
現在、大学にて臨床工学科に在籍しており、卒業後、国家試験を受験し臨床工学技師の資格を得ようと思っておりますが、東京などの都心にある病院で働けるほど、人材を募集しているのでしょうか?調べたところ総合病院などで2~3名程度しか募集しておりませんし、採用は厳しいのではないでしょうか?
また、採用の際に有利になるような資格を取っておきたいと思っているのですが、何かお薦めはありますか? 例えば、英検や漢検、基本情報技術者の資格などの情報処理に関する資格やワープロ検定など・・・他に普通自動車2 種の免許や大型や大特なども有利になるのでしょうか(機械操作に関連して)? また臨床工学技師の平均給与なども教えていただけないでしょうか?
A:
都心の総合病院での就職を希望しておられるとのことですが、
(1) 病院への就職は、企業就職と異なり、毎年特定の病院から一定数の募集があるわけではありません。また募集の時期も6 月ぐらいから翌年3 月までと非常に幅の広いものです。卒業の時に必ず希望の病院から募集があるとは限りません。一方、「都心の総合病院」から採用がほとんどないということも考えられません。東京、神奈川、千葉、埼玉を合わせると本年も総合病院からの求人はのべ50 件以上あるかと思います。
(2) 総合病院への就職希望者は養成校でも多く、同学年の方、あるいは経験者の方との競争ということになるかと思います。
(3) 採用の際に、英語や情報処理の資格があるに越したことはありませんが、それが必ずしも有利になるとは言えないかと思います。独立行政法人(旧国立)の病院、県立病院、市立病院などでは、公務員試験の勉強が役に立つことがあります。また、面接の際に業務内容についてのかなり詳しい質問をされることもあります。就職を支援した経験からも、資格にこだわるよりも、業務に関する知識と人間性、コミュニケーション能力を磨くことが重要であるように感じます。
(4) 臨床工学技士の初任給は、18 万円程度から23 万円程度と多少幅がありますが、病院の規模だけでなく、地域差もあります。通常この他に交通費、住宅手当、資格手当などが支給されます。
(5) 臨床工学技士は、比較的転職の機会が多く、小規模の病院で経験を積んだ後に総合病院に転職されている方も数多くいます。卒業と同時に総合病院に就職できなければ、一生小さな病院の技士として終わってしまうと考えるのは間違いかと思います。臨床工学技士国家資格は最初の一歩で、その後の実務経験が重視されます。
(6) 臨床工学技士国家資格取得後も、「透析技術認定士」「体外循環技術認定士」「呼吸療法認定士」「臨床高気圧治療技師」「臨床ME専門認定士」などの資格を実務経験を積みながら取得していかねばなりません。そのような専門職資格を取得して主任、技士長を目指すことが、収入という点でも重要なポイントになるかと思います。